日野市福祉教育ハートフルプロジェクト特別講演会「みんなが幸せに生きるまち~日野からはじまる共生社会の”ひのベーション”~」において、日野市障害者差別解消推進条例検討策定委員の委員長として登壇し、障害者差別解消に向けた未来について講演いたしました。以下、その内容を報告いたします。
社会の中で障害者差別が生じる問題は、今なお根深く残っています。その一因として、無意識の偏見が挙げられます。私たちが日常的に持つ無意識の偏見が、障害者に対する不当な扱いや機会の制限を招いています。この問題に向き合うためには、まずは自らの意識を向上させ、他者を尊重し、多様性を認めることが不可欠です。無意識の偏見に気づき、それを克服する努力が必要です。
また、障害者差別解消の鍵として示されるのが、インクルーシブ教育です。これは、すべての生徒が多様性を受け入れ、お互いを尊重しながら学び合う教育システムです。インクルーシブ教育を通じて、障害のある生徒も含めたすべての生徒が平等な機会を得ることができるようになります。
教育現場におけるインクルーシブ教育の実現には、バリアフリー環境の整備や個別支援の提供、意識の改革が欠かせません。障害のある生徒がスムーズに学習に参加できる環境を整えることはもちろんのこと、教職員や生徒に対する教育を通じて、障害者に対する理解を深める必要があります。
さらに、障害者差別解消には社会全体の意識改革が必要です。障害者に対する偏見や差別をなくすためには、個人だけでなく、行政や教育機関、企業など社会全体の取り組みが求められます。そのためには、個人が自らの役割を果たし、多様性を尊重しながら共生社会の実現に向けて協力することが不可欠です。
今回の特別講演会ではハートフルプロジェクトの授業を受けた日野市立第7小学校の4年生約40名もこの場に登壇し、授業を受けて気づいたことや感想を自分たちの言葉で発表しました。彼らの発表からは、障害者差別解消の重要性を理解し、共生社会を築くための取り組みへの意欲が感じられました。これからも、地域社会全体で障害者差別解消に取り組み、共生社会の実現に向けて力を合わせていくことが重要です。幸せな社会を築くためには、誰もが平等な権利と機会を得ることができるよう進めていきましょう。
(記:藤田)